※この記事では「公立学校」の退職金についての解説記事になります。私立学校にお勤めの方は、学校ごとに違うため、本記事では取り上げておりません。
「教員の退職金っていくら?」
「どうやって決まってるか気になる」
「公立と私立の差はある?」
定年や転職などの時【退職金がどのくらい出るのか】はとても気になるところ。お金の不安は少しでも取り除いておきたいですよね。
教員の退職金の計算には主に…
- 月給
- 勤続年数
- 自己都合か定年か
- 役職 など
これらで決まっていきます。
例としては勤続25年以上の一般教員の定年退職(公立)の場合…
平均:2100〜2500万円となっています。
ただ、計算方法は複雑で…

「自分がいくらもらえるか分からないよ!」
と悩んでいる人も多いはず。
特に自己都合で中途退職される人は、金額に関して不安がより大きいですよね。



「私も途中退職だったので、とても不安でした。」
この記事では…
- 退職金の具体的な計算方法
- 公立と私立の違い
- パターン別退職金シミュレーション
これらについて、勤続18年で教員を途中退職した私がお話します。記事の後半では勤続年数に応じたパターン別の退職金も紹介していきます。
実際に退職した経験や、最新のデータなどをもとに詳しく解説していきますので「退職金がいくらか知りたい人」はぜひ参考にしてください。
【退職金はどう決まる?】計算方法はこれ。


教員は公務員であるため、市役所職員など他の地方公務員と同じ計算で退職金が決定します。具体的には…
退職時の月給 × 支給率 + 調整額= 退職金
となります。月給はそのまま退職時のひと月のお給料です。



「では【支給率】と【調整額】についてお話ししていきます。」
支給率とは?
支給率は「勤続年数」と「退職理由」で決定します。支給率と月給をかければおおまかな退職金を知ることができます。例えば支給率は以下のようになります。
勤続年数 | 支給率 (自己都合) | 支給率 (定年) |
---|---|---|
1年 | 0.5022 | 0.837 |
5年 | 2.511 | 4.185 |
15年 | 10.3788 | 12.9735 |
25年 | 28.0395 | 33.27075 |
35年 | 39.7575 | 47.709 |
「自己都合」よりも「定年退職」の方が支給率は高くなっています。
退職理由の種類としては…
- 自己都合(自身の事情で退職)
- 定年(定めらた年齢まで働いての退職:一般的には60歳)
- 勧奨(人事管理上の理由で退職を勧められ、それに応じての退職)
- 疾病・死亡(業務中の事故や怪我などで退職しなければならない時)



「勧奨退職や病気や怪我による退職の場合は、支給率が変わるよ!」
教員1年目から退職金は支給されます。例えば、月給20万円であれば…
20万円 × 0.5022(支給率) = 100,440円
勤続年数ごとに分かれていますので、自分のおおよその支給率を確認したい人は、下の内閣官房の資料を参考にしてみてください。
資料リンク:内閣官房:国家公務員退職手当支給率早見表
調整額とは?
在職期間中の「役職」などに応じて加算されるお金になります。金額は、役職や在籍年数によって決められる「区分(号)」をもとに計算されます。


高い方から60月分計算され、その号区分の金額を当てはめて計算します。
例えば上の表で校長は第2号になります。退職前に校長を5年間務めたとすると…
【校長の場合】
60月×2号(59,550円)=3,573,000円
この金額が調整額として退職金に加算されます。



「例外はありますが退職前の直近60月(5年)が基本的には一番高くなります。」
一般教員で退職する場合、管理職手当はないので第6号に当たります。つまり
【一般教員の場合】
60月×6号(27,100円)=1,626,000円
となります。
教頭、副校長、主幹教諭や教務などはもちろん区分が上がります。自分の区分を確認して計算してみましょう。
ただし、以下の場合は調整額が満額支給されませんので注意をしてください。
- 9年以下の自己都合退職(支給なし)
- 10〜24年の自己都合退職(半額)
- 4年以下の自己都合以外の退職(半額)
公立と私立の違いはこれ!


結論から言うと、公立と私立は全く別物です。
私立の場合、各学校で退職金の有無や支給額が異なります。退職金がない代わりに月給が高く設定されているという場合もあります。



「学校ごとに定められている就業規則や雇用契約書などで確認してみてください。」
【パターン別紹介】退職金の目安


ではいくつかパターン別に、退職金の目安を計算してみましょう!



「月給は平均になります。自分のケースに近いものがあれば参考にしてくださいね!」
パターン①:勤続1年で退職
教員1年目で辞める人はかなりの人数います。1年での退職金は…
20万円(月給)×0.5022(支給率)=100,440円
なお、9年以下のため調整額はプラスされません。
パターン②:勤続5年で退職
教員5年目の月給の平均は25万円なります。
- 25万円(月給)×2.511(支給率)=627,750円
勤続9年以下なので調整額はありませんが、1年目に比べると6倍になりました。
パターン③:勤続10年で退職
10年目の月給の平均は30万円ですので…
- 30万円(月給)×5.022(支給率)=1,506,600円
10年〜24年の勤務は調整額の半分が支給されます。
退職前の60月が第7号だとした場合…
- 60月×21,700円(第7号)× 1/2 =651,000円
となり、合計で退職金は2,157,600円です。



「調整額が加わり、金額が大幅に伸びました!」
パターン④:勤続15年で退職
以外と多いのが15年の退職。理由としては40代手前で転職を考える人が増えるためです。
15年目の月給は35万円ほどとなっています。調整額も半分支給されるため…
- 35万円(月給)×10.3788(支給率)=3,632,580円
- 60月×21,700円(第7号)× 1/2 =651,000円
合計で4,283,580円となります。
パターン⑤:勤続25年で退職
25年になると、自己都合の退職であっても調整額が満額支給となります。
- 40万円(月給)×28.0395(支給率)=12,617,775円
- 60月×21,700円(第7号)=1,302,000円
調整額が大幅に上がるため、退職金は13,919,775円になります。



「ついに1千万を超えました!」
ちなみに定年の場合は14,610,300円になります(支給率が33.27075)。
パターン⑥:勤続35年で退職
一般教員の場合
勤続35年の教員の平均月給は45万円となります。また勤続年数も長いため、調整額がアップします。
- 45万円(月給)×39.7575(支給率:自己都合)=17,890,875円
- 60月×32,500円(第6号)=1,950,000円
自己都合の退職金は19,840,875円
定年の場合は23,419,050円になります。(支給率47.709)
校長の場合
校長の場合は、月給45万円に管理職手当(平均15%)が上乗せされて約51万円となります。
さらに調整額が第3号となり大幅に上がります。
- 51万円(月給)×39.7575(支給率:自己都合)=20,276,325円
- 60月×59,550円(第3号)=3,573,000円
校長を5年以上勤めた自己都合の退職金は23,849,325円
定年の場合は27,904,590円になります。
まとめ:教員の退職金は高い!


教員の退職金は自治体や役職により差があります。しかし、確実に言えるのは…教員の退職金は高い!ということ。
実際、教員の退職金は…
- 大企業の退職金と同レベル!
- 中小企業の約2倍!
今回は、教員の退職金について話をしました。定年に比べると下がりますが自己都合でも退職金は1年目からしっかりと支給されます。
転職活動中の生活費、結婚費用、老後資金など不安も多いと思います。



「次の生活への資金がどれだけあるのか知ることは重要です。」
ぜひ今回の記事を読んで、自分の退職金がいくらになるのか参考にしてみてください。
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